犬枕

最近よく未来のことを考える。
何十年後とかの遠い未来。

そのころ私はどこにいて、何をしていて周りには誰がいるのか。

例えば数年前まで一緒にいた人で、ずーっとこうして楽しくしていられたらいいななんてぼんやりとでも思っていたはずなのにいつの間にかいなくなってる人もいる。
もう二度と会えない人だっている。

ってことは今一緒にいて、すっごく楽しいのに、数年後には連絡もとらなくなっちゃう人とか出てくんのかな。


約束なんてしたくない。

でも、みんなすんげー爺とか婆とかになっててさ、
かわいいあの子もしわくちゃで、素敵な彼もヨイヨイで、

私なんか手が震えて絵筆も持てなくなってさ、
ギター弾きのあのひとも弦とか押さえらんなくってさ、

「もう時効だから」なんて打ち明け話なんかしあったりして、
でももうそんなのもどうでもよくて、笑うしかなくて、そう、笑っていられたら。


そこに行くまで、笑って人生に乾杯するまで、私はまだまだここで泣いていなくてはならない。成熟するには早すぎる。

苦しんで苦しんで、のた打ち回って汚れて転がって、それでもやらなくちゃいけないことがたくさんある。


そしたらもしも死ぬ時独りだったとしても、あなたがそばにいなくても、私は笑ってるんじゃないかな。